今や起業するにあたって、実店舗は必須ではない!

実際に事業を興すに当たって、店舗を構えるかどうするか問題も長く議論されているテーマです。

もちろん業態によっても必要、不必要があるので一概にどっちとは言えないのですが、私個人の意見としては「無くても仕事ができそうなら必要ない」と思います。

情報化社会への遷移が進んできた現代においては、実店舗を必要としない業態もかなり増えてきており、そうした職業を選択できれば初期投資&固定費を削減できるということにもつながります。

こんな人向けの記事です!
  1. 現在起業の準備中の人
  2. 将来的に起業を考えている人

「起業するなら店舗を持ちたいよね!」という考えだけで借りようとしているとちょっと危険…!

店舗を持つということは、休業日(非稼働時間)が増えれば増えるほど損!

起業するときに店舗を借りると、月々固定のテナント料がかかります。

事業用といえ賃貸物件なので、これは避けられません。

そして賃料を払っている以上、お店を休むということはその日分の収益機会に加えて賃料の一部も無駄に払ってしまっているということ。

個人経営の飲食店が休み無しでやってたりしますが、これはそういう側面もあるわけです。

店舗を借りる場合、保証金等でまとまった金額が必要

意外と知られていない部分ですが事業用物件を借りようとすると保証金といって、賃料を払えなくなった場合にそこから補填する目的のお金を担保する必要があります。敷金のようなものですね。

相場としてはだいたい賃料の10ヶ月分と言われています。
※地方では3~4か月だったりもします

私が住んでいる地域の感じでいくと、個人経営サイズの飲食店向けテナントがだいたい10万円なので、10ヶ月分ですと100万円ですね。
これは保証金だけの話。

さらに入居時はだいたい前家賃と言って、入居してから引き落としが始まるまでの家賃をまとめて支払うのが一般的なので、これが三ヶ月分。

他の手数料やなんやらで1ヶ月分として、合計14ヶ月分=140万円もの金額を入居時に収めなくてはならない場合も…!!

借りようとしているテナントがスケルトン(備え付けの什器が一切ない場合)だった場合は、ここに必要な什器を仕入れる金額も発生します。

さらにさらに、賃貸を借りてから実際に営業開始できるまで早くても2ヶ月かかると言われていますから、さらに追加で2ヶ月分の家賃を見ておく必要もあります。

店舗を借りる場合はこうしたまとまった費用が必要となる場合が多々あります。
※通常の居住用物件を事務所として使う場合は保証金などの規定も変わってきます。

「店舗を持たない」という選択ができれば月々の賃料とまとまった初期費用が不要!

インターネットを活用してできる仕事や、こちらが客先へ出向いて仕事をする場合は店舗を持たないという選択ができます。

月々の固定費が少なければ、それだけ資金繰りのリスクも低減できるということ。

元手300万円で起業することとなった場合で、
生活費25万円
テナント契約初期費用に160万円
さらにテナントの賃料10万円
がかかるとした場合を想定し、半年間経営したとして試算してみましょう。

店舗を持たない場合

生活費:25万円×6ヶ月=150万円
諸経費:2万円 ×6ヶ月= 12万円
         合計=162万円

店舗を契約した場合

テナント初期費用:160万円
テナント家賃:10万円×6ヶ月=60万円
テナント光熱費:2万円×6ヶ月=12万円
生活費:25万円×6ヶ月= 150万円
諸経費:2万円×6ヶ月=12万円
        合計=394万円

元手が300万円だと、半年間も経営できなくなることがわかります。

加えて、店舗での経営となるとデスクや事務用品、什器類も用意しなくてはならないのでさらに初期投資がかさむことに。

こうなると、融資を受けなくてはそもそも始められないことになりますね。

世の起業家たちも、基本的には自宅開業からスタートしている

2017年年度のデータですが、こんなものも発見しました。


日本政策金融公庫 総合研究所:「起業と起業意識に関する調査」より

世の起業家達715人にアンケートした結果をまとめた資料になります。
(資料本体はコチラ)

自宅で開業している方が実に7割近く存在しています。

データは2017年と最新のものではありませんが、昨今における起業については「店舗を構えてこそ起業!」という認識ではなくなってきていることがわかりますね。

軌道に乗るまで耐えきれるかどうかが成功の分かれ目

起業してから1~2ヶ月で確実に収益を上げられるようになるといった根拠があるのならば別として、軌道に乗るまでどんなに早くても半年はかかるでしょう。

元手が限られている場合は削れるものは削る努力をしなくては、成功するものも成功させることができないのです。

「あと1ヶ月あれば黒字化できるのに…!」となっても、泣く泣く廃業せざるを得ないのです。

廃業目前で融資をお願いしてもほぼ確実に断られますし。

個人でやるビジネスでは、リスク管理が最も重要です。
特に資金に関するリスクは可能な限り下げておかなくてはなりません。

いつか勝負に出なくてはならない局面に遭遇することもあるでしょうが、スタートの段階では避けられるはずです。

開業費用についての考え方についてはこちらも参考にしてみてください。
↓   ↓   ↓

自分が用意すべき「創業資金」はいくら必要なのか、しっかり計算しよう

【まとめ】店舗が必要だとしても、最小限に抑えてやってみることが大切

飲食店の開業や、事務所を用意しなければ事業免許がおりない不動産業など、確実に店舗を構えなくてはならないケースも確かに存在します。

しかしその場合でも、移動販売車から始めてみるとか、売却も可能なトレーラーハウスで始めてみるとか、必要最小限のサイズで借りるとか、調整はいくらでもできるハズ。

始めてからでは後悔しても遅くなってしまいます。まずはじっくり考えて、自分の起業に事務所・店舗が本当に必要なのか熟考してみましょう。

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