私も地域おこし協力隊となることを志した一人として、このあたりをしっかり書いておきたいと思いました。
これから「地域おこし協力隊になってみよう」と考える人が、どんなことを思い描いておくべきなのかをまとめます。
- 地域おこし協力隊へ応募を検討している方
- 現役隊員で地域とうまく馴染めず不安な方
制度の概要も含めてざっくり一言で言えば、「定住すること」です。
地域企業に就職するか起業するかはとりあえず置いといて、ゴールはただひとつ、そこだけなのです。
とはいえ「3年後のことなんてわかんないよ」ってのが正直なところなので、ひとまず制度の前提を知って心構えを作っておきましょう。
もくじ
そもそもの制度の概要について
このあたりは応募を考えている段階である程度知識を仕入れてそうなものですが、一応簡単に説明しておきます。
地域おこし協力隊とは、国の地方創生事業の一環として、都市部の人口を地方に分配するための制度として編み出された制度です。
都市部から地方に移る人に、国の予算から給与を支払い、自治体のニーズに応じた仕事をしてもらって、最終的には定住をしてもらう…そういう制度です。
つまり、この制度の目標とするところは「その地域にずっと住んでもらうためのキッカケづくり」となります。
(総務省的にもそういう運用をしているので間違いない)
ところがどっこい、地方を転々としている協力隊もいたりする…?
実はこの制度、協力隊員として2年間務めると「他のどの地域の協力隊にでもなれる」というチートスキルを獲得することができます。
本来は「都市部→地方」という一方通行だったものが、
「過疎地→過疎地」
「過疎地→県庁所在地」
のルートも開拓できるようになるのです。
まあ制度上、人口分布をなだらかにしたい思惑からの仕組みなので、3大都市圏のどこかに定住させることができれば成功…という認識なのでしょうね。
結局任期中にどうしても肌が合わなかったときは、次なる自治体へ移ることは仕方ないですが…地域の方との接点も多くなるハズなので、人間関係に十分注意した上で制度を活用したいものです。
なので、応募を検討する際は「自分が定住してもよさそうな自治体」にのみ応募し、適応を図った方が無難だと思います。
定住するためには、地域おこし協力隊に許されている「副業」をフルに行うべき
地域おこし協力隊の任用にはいくつか種類があるのですが、度重なる制度改善により、いかなる任用でも副業が許されるようになりました。
そのため、任期中から自らの事業作りにある程度尽力しておくことで、任期終了後の生活基盤を構築することができます。
中には「起業型」という任用形態もあり、自分がやりたい事業に専念させてくれる自治体もあります。
そういった任用になると、自分がやりたい事業を回しながら、生活出来るだけの収入が保証される…というメチャメチャに恵まれた起業環境が出来上がります。
※協力隊としての任用タイプの比較はこちらの記事で行っています!

最長3年間という期限のある協力隊制度ですが、3年もあれば大概のビジネスは基盤作りが出来るハズ。
(3年でどうにもならなかったらビジネスプランが破綻している可能性が高いので撤収するべきかなと…)
地域企業へ就職する場合でも、個人事業としていくらかの収入を得ることができれば、都会と比較してかなり安い賃金水準の地方でも豊かな生活を送ることができるようになります。
そうした意味でも、「事業一本でいくぜ!」というレベルでなくてもいいのでなにかしら個人でビジネスをしてみることが必要かなと思います。

副業がおススメだよ!って内容も記事にしてます!読んでみてくださいー!
地域からの異常な期待に気をつけよう!
受け入れ自治体や地域住民は、地域おこし協力隊のことを「地域のことならなんでもやる便利な存在」と思っている節があります。
これはけっこうな現役隊員が感じているところ。
私が聞いた話では
- 市民団体同士でイベント開催日時が被らないように、自治体の方で管理してほしい
- あそこの空き地で昔みたいに何かイベントをやってほしい
なんてことをサラリと頼まれてしまうのだとか。
ぶっちゃけ、自治体職員でもやらないようなことを、ポッと出のよそ者が一人でやれるはずもありません。
そういう時は正直に「協力隊って、あくまで定住を促進するための制度で、なんでもかんでもやれるわけではないんです…」という感じでお茶を濁しておいた方がいいでしょう。
相手が制度に対する知識がある人だと「俺たちの税金で暮らしてるのに断るのか!」なんて言われたりもするみたいですが、
「うるせー!こっちだってさんざん国に税金払ってきたんじゃ!」
くらいの図太さを持って、落ち着いて定住できるかどうかを見極めることをオススメします。
役場関係者、地域住民、地域企業とのつながりを大切に
その自治体に応募をするということは、なんらかの魅力を感じて「定住してもいいかも…」と思ったからではないでしょうか。
となれば、その願いをかなえるためには地域の関係者達と良い関係性を保つ必要があります。
ご近所さんと意気投合したら知り合いの会社と繋げてくれて就職先が見つかったり、役場とのお仕事で評価されれば観光協会等の公共団体への就職口が開かれるかもしれません。
事業を起こしたいと思っているのであればなおさら、地域に存在する敵の数は少ない方がいいでしょう。
合格したからには絶対に定住しなくてはならない、といったものではありませんが、定住してもしなくてもいいような良好な関係を築いておくことに損はないです。
【まとめ】あくまでも「定住」が目的の制度だということを知ろう!
地域おこし協力隊という仰々しい名称のせいか、報酬に見合わないミッションや異様な期待を押し付けられてしまいがち。
そういう時は、関係者に「こんな感じだと定住は難しいです」と正直に打ち明けた方がいいです。
辛い思いをしてまでその地域に定住する意味などどこにもありません。
3年の任期の中で、地域と良好な関係を築き、就職口が見つかったり、事業化のメドが付いたりして、定住に自然と移行できれば大成功なのです。
そこまで気負わずに、のんびり地域に溶け込んでいきましょう!
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