「人生の楽園」から、脱サラ起業が本当に「楽園」と言えるのかを考えてみる

毎度おなじみ、毎週土曜日の夕方5時半から放送されている「人生の楽園」

私あの番組好きでここ十年くらいずーっと見てるんです。

私が起業を目指すようになったのもこの番組を見て、
「いつかはこんな風に自由な暮らしをしながら生きてみたいなあ」って思うようになったからかな。

そして今、その願いは叶って見事に楽園感を感じているところです。
(今のところは…)

ところがどっこい、自分で起業するために経営・経済の勉強を続けてきた中で、手放しで見てられないパターンの放送回がけっこうあるなあと…
感じるようになりました。

ということで私が思う「これ、けっこうヤバそうだよね」という、人生の楽園でクローズアップされる飲食ビジネスモデルを紹介します。

人生の楽園でよくある飲食店パターン

人生の楽園は、出演者の年齢層がちょっと高め。

いわゆるナイスミドル世代が早期退職して新たな生き方を選択したパターンが多く取り上げられています。

その中で多いのはやはり飲食店スタイル

確かに、工夫次第では初期費用も抑えられて、やればやるだけ利益が上がるためしっかり戦略を建てられれば優秀な業種ではあります。

しかし、業態によっては「これちょっとヤバいんじゃない?」という点が多々見受けられるので、かいつまんで紹介します。

1.人口数がものすごく小さな集落で開く古民家カフェ

まずはコチラ。

圧倒的なキラキラ感を演出する「古民家カフェ」というワード。

人生の楽園では月の放送日が4~5回なんですが、
実に半分を占める割合で古民家カフェが紹介されます。(主観)

※「農家民宿」も個人的には同じくくりで見てます。

私(20代後半)が思う古民家カフェのイメージは

  • インスタ映えする非日常感がある建物
  • オシャレな雰囲気(ざっくり)
  • 個人経営のお店

というところ。

これ自体はお客さんから選択されうる要素を持っている、優れたアピールポイントと言えますが、問題は集客です。

おおよそ、セカンドライフとして開業しようとする方は都心から離れた田舎での開業を選択します。
おそらくは 建物取得費用等が大変に安いからですね。

でも、誰がそんな離れた古民家カフェをアテにして行くんだろう?

素直にそう思ってしまうわけです。

「近所の人たちが集まれる憩いの場として~」という意識をベースに持っているのはわかりますが、近所の人たちだって毎日来るわけでは無いし、落としてくれる金額にも限界があります。

新規顧客やリピータの規模をもっと拡大できなければビジネスとしては成功しづらい。

多少田舎でも、近隣に観光名所があったりすれば話は別だけど…

大きな事業を回す社長が利益度外視の趣味でやる喫茶店とは話が違うので、素直に心配になるパターン。

でも、生活に困らなくなるくらいにはぜひ頑張ってほしい。

2.全くの未経験だったけど初めた蕎麦屋

退職後にそば打ちを習ってのめりこんでしまい、我流で蕎麦屋を開くパターンもたまに見ますね。

そばの修行で有名なところで行くと「包丁3日、延し3ヶ月、木鉢3年」という言葉が有名かもしれません。

ただしこれは然るべきところでしっかり修行できればの話だと私は思うのです。

さらに言えば、出汁の引き方やつゆの作り方なんかももっともっと修行が必要そうなもんです。

一流レベルでないと店が出せない、とは思っていませんが、スクールでさらっと習っていきなり開業はちょっと無謀じゃないかな…

おいしい蕎麦を徹底的に研究して、めちゃめちゃ勉強してるなら話は別だけど。

ゼロからの飲食店は開業コストもバカ高いので、老後の人生設計に狂いが出ないことを祈るばかり…

でもせっかく夢を掴んだんだからこっちも頑張ってほしい…

3.趣味が転じて専業化したパン屋

あと人生の楽園ド定番のパン屋ですね。

パン屋は利益率の低さが界隈ではかなり有名な業態。
有名どころでも7%程度、悪ければ3%水準のところもあるとか。

そして仕込みや焼成の工程の時間的制約から、朝もかなり早い時間からスタートしなくてはなりません。

そして売れ残ってしまった場合は丸ごとロス…利益率の低さも納得の業態です。

成功が絶対にできない!というわけでは無いでしょうけど、それなりの戦略が必要不可欠であるはず。

ましてある程度の規模の街であればパン屋もいくつかあるだろうし、競合だって多い。

これもなかなか、見てて不安になるパターンです。

でもやっぱり、せっかく開業したんだから頑張ってほしい…!

夢を叶えるために行動してみたことは素晴らしいけど、儲かる戦略も練らないと!

「自分がやりたかったから」という理由が先行してしまうとどうしても、市場とのアンマッチが多くなってしまいます。

若い世代がいない街でパンケーキ作ったって売れないし、原宿で蕎麦屋オープンしても大多数はターゲット外です。

自分がやりたいことを叶えるためには立地、顧客層、差別化といった戦略をしっかり練らなければ、存続は難しいでしょう。

初期投資もバカにならない飲食業態であればなおのこと…

飲食店は、開業するために初期投資が少なくとも300万円、建物から用意するとなると数千万円単位でかさむことになるハイリスク業態です。

脱サラして起業する場合は、固定の収入がゼロになり、手持ち資金を切り崩しての営業になることが大前提です。

そんな中、とんでもない金額の借金をこさえて利益も上げられないなんてことになっては目も当てられません。

夢を叶えることがゴールじゃない。それで食ってく工夫が必要

自分でもやってみて初めて分かりましたが、起業はゴールではなくて、スタートラインでしかありません。

起業したその瞬間から稼ぎ続けるために足掻いてもがいていくしかありません。

自分が憧れて始めた事業を潰すほど悲しいことはないし、後悔してもし切れません。

どうすれば稼げるようになるか、どうやったら儲かる事業ができるか。
常にアンテナ高く上げて、情報を得ておきたいものです。

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