自分が用意すべき「創業資金」はいくら必要なのか、しっかり計算しよう

今回は起業希望者が調べるワードの中でもトップレベルに多いであろう「創業資金」についての記事になります。

私も調べた経験がある立場であったことを前提に言わせてもらいますが、「他の人の創業資金の大小を調べても無駄だったなあ」と思います。

結局のところ、答えは「自分がやりたい事業を実現するためにいくら必要なのか」しかなくて、「世間の起業者が用意した平均値」とかは実際どうでもいいです。

私以外私じゃないの。
自分がやらないビジネスを参考にして目標額立てたって意味ないですからね。

こんな人向けの記事です!
  1. 起業にどのくらいお金がかかるか知りたい人
  2. 将来的に起業を考えている人

同じ業態だとしても、始め方によってかかるお金はピンからキリまである

業態が違えば揃えるものも違ってくるし、仕入れの有無でもかかるお金は変わってきます。

同じ飲食業態で起業したい人が3人いたとして、

  • Aさんは店舗を建てるところからスタート
  • Bさんは飲食店だった空き店舗を改装(居抜き)してスタート
  • Cさんはキッチンカーでスタート

だとしたら、かかるお金の大小に差があるのは誰が見ても明らかです。


Aさんは一番お金がかかります。

建物代で2000万円、厨房設備で300万円、その他什器類で100万円、運転資金に150万円として、ざっくり見積もっても2500万円程度かかります。


Bさんは工夫して抑えるところを抑えた開業方法を取っています。

よく居抜き物件と言われますが、前も飲食店だったお店が設備そのままで借りられるパターンがよくあります。

そこを借りて、内装だけ手を掛けて開業するパターン。
物件取得費(賃貸)が150万円、内装改装費に150万円、什器類に30万円、運転資金に150万円として、500万円もあれば始められそうです。

Aさんと比較するとなんと5倍もの差がありますね。

※物件取得費になんでこんなかかるの?
 という部分に関しては後述してあります。


Cさんはいわゆるスモールスタートの部類と言っていいでしょう。

店舗の移動もできて立地リスクを回避でき、中古販売でも需要のあるキッチンカーでのスタート。

中古でキッチンカーを仕入れたとして200万円、什器類で10万円、運転資金で150万円、合計360万円もあればスタートできてしまいます。

AさんBさんと違って、毎月の固定費としての家賃がないことも大きなメリットであると言えます。


このように、同じ業種での起業であっても、業態によってかかる費用は全然違ってくるのです。

つまり「自分がどういう業態で起業するのか」をハッキリさせることこそが、創業資金・開業資金を計算するための最初のステップになります。

お店を借りてスタートする場合

始めて起業する方でお店を建てて始めたいという方はいないという方向でいきます。
(いるとしたら、少し考え直していただきたい…)

一般的には「お店を借りて営業を始める」という選択になるかと思いますが、事業用物件においては、通常の居住用物件とはかかる金額が変わってきます。

意外と知られていない部分ですが、事業用物件を借りようとすると保証金というお金が発生します。
居住用物件における敷金と同じ扱いですが、かかるお金が段違い。

保証金の相場としてはだいたい賃料の10ヶ月分と言われています。
※地方だと3~4か月分の場合もあるようです

青森県内ですと、個人経営サイズのコンパクトな飲食向けテナントがだいたい10万円なので、10ヶ月分ですと100万円ですね。

他の手数料やなんやらで2ヶ月分として、合計12ヶ月分=120万円もの金額を入居時に収めなくてはなりません。

「敷金と同じなら退去時に帰ってくるんでしょ?」とお思いだとは思いますが、帰ってきても微々たるもんだと思っておいた方が無難ですね。

この他にも、入った月の家賃、その次の月の家賃を前もって支払う前家賃で2ヶ月分払う必要があるので、さらに追加。

賃料10万円の物件でも、契約時に150万円程度は見ておかなくてはならないのです。

加えて家賃とは別なので、月々固定費として家賃の支払いも発生します。
店舗経営はなかなかお金がかかります…
(私は自宅で仕事してます)

店舗を借りてスタートする場合は…

  • 家賃×14ヶ月分
  • 毎月の家賃

を考えなくてはならない!
(物件によっても違ってきますが、MAXでこのくらい)

開業にあたって必要なモノ(備品類)を揃える

先ほどから例に出している飲食店であれば厨房設備ですが、開業するために揃えるものは業種によって異なってきます。

クリエイティブ業であればそれなりのスペックのPCを用意したり、事務系のお仕事がメインになるのであればキャビネット事務用品が必要。
請求書や見積もりを出すためにはプリンターも必須ですね。
仕事をするためのデスク椅子も用意しなければなりません。

備品類もこだわればこだわるほどお金がかかりますし、今所有しているモノを流用できれば安く抑えることができます。

仕事を行うにあたって「あればいい」程度のモノはできるだけ安く抑えておくのが無難でしょう。

デスクや椅子に関しては東京インテリアとかIKEAとかにニトリの安いのでも十分ですよ。

「ブランドのデスクやアーロンチェアーで揃えたい!」という夢があるかもしれませんが、それは成功してから叶えましょう。まずは目先の小さな成功です。

この備品関係は抑えられるだけ抑えておきたいところ。
(というか基本的に創業期は全体的に抑えるべき)

リサイクルショップを活用してもいいと思います。

見栄を張るために起業するのではなく、自分がやりたい仕事をするために起業するはずです。

先立つものはいつの時代もお金なので、できるだけ手元に残せるように工夫しましょう。

運転資金をしっかり確保しておきたい

「開業資金の他に運転資金?」となるかもしれませんが、このお金の確保が成功のカギと言って間違いないです。

運転資金とはすなわち、「事業を存続させるために用意するお金」のことで、自分が生活する分のお金や事業としてサイクルを回すお金すべてのことを指します。

  • 毎月の仕入れ
  • テナントの各種光熱費の支払い
  • テナント賃料
  • 生活費

すべてを合算したお金になるので、ウェイトとしては一番大きくなることと思います。

まず一番大事な生活費。

家族も養いながら、ということだとひと月25万円ほどは用意しておきたいところ。
単身者であれば15万円もあればいいでしょう。
(退職後は今まで控除だった保険料等が追加でかかってきたりするので増)

生活費についてはコチラも参照

月々の出費を管理して、自分が1ヶ月いくらあれば生きていけるか管理してみよう

それから、店舗の契約があれば賃料10万円、光熱費等5万円として15万円が追加。

  • 所帯持ち+店舗アリ=40万円
  • 所帯持ち+店舗無し=25万円
  •  単身 +店舗アリ=30万円
  •  単身 +店舗無し=15万円

がひと月にかかると考えましょう。

世の起業者が口をそろえて言うことのひとつに、「半年間は売り上げが立たない」ということがあります。私も実際そうでした。

なので、最低でも半年分の運転資金を用意しておきたいところ。

  • 所帯持ち+店舗アリ=40万円×6ヶ月=240万円
  • 所帯持ち+店舗無し=25万円×6ヶ月=150万円
  •  単身 +店舗アリ=30万円×6ヶ月=180万円
  •  単身 +店舗無し=15万円×6ヶ月=90万円

が運転資金として必要になります。

仕入れが必要になる業態なのであれば、ここに追加して仕入れ分の費用も計上しなくてはなりません。

無収入期間がどれくらいの長さになるかは一概になんとも言えませんが、できるだけ長い期間耐えられるお金が手元にあれば、成功するまでじっくり粘れるのでちょっとは安心ですね。

販促活動のための費用も必要になってくる

起業初期に最も必要とされる行動は「事業を認知してもらうための広告」です。

店頭で配布するチラシ、名刺、ロゴの用意やホームページの作成など、状況に応じて費用を捻出する必要があります。

現在はインターネット市場社会に遷移している過程なので、これから起業する方であればネット上での宣伝活動は必須であると言えます。

気になるお店があっても、ネットで検索して詳細が出てこなければそれだけで行かなかったりする時代。

お客さん側も、実際にお店に行く前に「失敗しないだろうか」という下調べをすることが普通になってきているのです。

なので、できればホームページは用意しておきたいところ。

Facebookのコーポレートページなら、あってもなくても一緒です。

Facebookページは、一般ユーザーからすると知りたい情報を探しにくい媒体なので、事業者の自己満足に終わるパターンが多いですね…

それよりならまだ、Twitterやインスタグラムのアカウントの方が写真も見やすく、投稿も見やすいので発信には適しているでしょう。

「ホームページやデザイン関連の依頼を考えてみてもいいかな…」
という方は私の方でもお請けしておりますのでお気軽にお問い合わせください!



販促活動費として5万円~30万円ほどかければ十分
という想定でいいかと思います。

【まとめ】開業資金は自分がやりたい業態に合わせて自分で計算するしかない!

これまでに書いたのはあくまで算出例だけなので、
あとはご自分のやりたい事業に沿ったやり方を、自分で決めて計算するしかありません。

私もできることなら「みんなこの記事さえ見れば金額も分かってハッピーハッピー」って記事を書きたいんですが、人によってやりたいことも考え方も、妥協できないところも全く違ってくるのでできません。

自分で事業を起こすということは、会社としての意思決定を自分で下して進んでいくということ。

まずはその第一歩として、「アレには〇万円、これには□万円、それには…」と決めていくことから始めてみましょう。

まだ不安だなあって時は私も相談に乗ります。お気軽にご相談ください!

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