「起業したいけど無給期間が不安…」という方には地域おこし協力隊もオススメ

いざ起業を決心したものの、売り上げが立つかどうか不安だし、無給があまり長く続いたらどうなってしまうのか…

と不安を感じることは、起業する上で絶対に避けられません。

10年以上事業を続けている人でも、場面場面で同じこと考えてます。
独立、起業するということはそういうことなのです。

「でもやっぱり、ちょっとは保険掛けておきたいよ!」っていう方に知っておいてほしい制度があります。

「地域おこし協力隊」という、国が定めた地方創生事業です。

この制度をざっくり説明すると、

  • 都会から地方へ人を呼び込む
  • 地域おこしに関連するお仕事で地元に密着してもらう
  • 最終的には定住してもらう
  • 定住しなくてもやってもらった地域おこし活動で地域の魅力が上がる

こんな感じのヤツ。

お仕事内容については自治体ごとにかなり差があるようで、「もうほぼ起業したのとかわらんやん!」ってレベルの自由さがあったり、「役所の職員とやってること変わらないけど…」ってところまでさまざま。

そのあたりは興味のある自治体の募集要項をきちんと読み込み、実際に応募するのであれば採用が決定する前にしっかり確認しなくてはならないポイントです。

こんな人向けの記事です!
  1. 地域おこし協力隊に応募を検討している人
  2. 地域おこし協力隊制度に興味がある人
  3. 現在起業の準備中の人
  4. 将来的に起業を考えている人

正直、「起業したい人はこの制度を使え!」と言い切って良いくらいの制度です…!

募集している地域おこし協力隊、どんな地域のどんな仕事があるの?

執筆時点では47都道府県全域で募集があり、360件ほどの募集があります。

合計365件ほど。

お仕事についても本当に様々で、一例として

  • 小規模な自伐型林業で生計を立てるモデル
  • 市が設置する公営塾の講師
  • 地域に根差したデザイナー(未経験可)
  • 自治体代表YouTuberとしての活躍
  • 動画制作やSNSで自治体の魅力を発信
  • 新規創業支援事業のアドバイザー
  • 湖での遊びのプロとして活動
  • ゼロからの酒造り
  • 地域のエンジニアとしてプログラミング
  • 移住、定住を支援するアドバイザー
  • ジビエ加工を含めた林業の活性化
  • 自治体CATVでの放送コンテンツ製作
  • 日本一の伝統工芸の技術を継承する人材として募集
  • 自分がやりたい事業に専念(起業型、提案型)

こんな感じのお仕事があったりします。

「上京したけど地元に帰りたい…」
「憧れの地域に住んでみたい…」

そんな希望と、自分が求める仕事、待遇が重なったらとってもハッピーな選択肢になると思います!

一応、なるにも条件がある

地域おこし協力隊の特性から、「田舎から田舎」(表現的に失礼ですが)への移住を伴う採用はされないことになっています。

基本的には「町」や「村」に住んでいる場合ですと、この制度は使えないことになりますね…

地域要件について詳しく解説した記事はコチラです

都会に住んでないとなれない?地域おこし協力隊の地域要件について解説します。

中には「京都市に住んでいても旧京北町地区に住んでいたら不可」といった細かい要件もあります。

興味のある方は現在住んでいる地区が何になるのか確認してみましょう!

起業希望者が「地域おこし協力隊」として働く場合のメリットは?

起業したい人向けにオススメするからには当然いいトコロがあるからなんでしょ?って?
…そうです、その通りです。

かくいう私も、岩手県某市の地域おこし協力隊として活動しております。

ということで、実際に自分も応募したくらい「これは魅力的だなー!」と思った点をまとめます。

地域に密着しながら、毎月固定の給与が発生すること

私はもともと、会社を辞めて地元に帰って地域の生活に根差したサービスを展開したかったので、兎にも角にもまず地域に溶け込むことからスタートだと考えていました。
(結果的に地元には戻りませんでしたが…)

地域おこし協力隊では、それがお金を貰いながらできてしまう。

地域のお祭りや町内会同士の会合、地元企業と協力してのイベント運営などなど、地域で顔を売るにはうってつけのお仕事です。

何も後ろ盾がなければなかなかヨソモノが溶け込めない場面でも、「役所の嘱託員です!」という肩書があれば警戒もされません。

こうしたお仕事をしながら、決して多くはない(月16.6万円が普通)けど、お給料をいただけるわけです。

最長3年ですが、1年間ごとの契約更新というのもちょうどいい期間だなと思っていました。

自分で準備が整ったらその段階で辞めちゃって事業を本格始動できます。

起業準備しながらやれる仕事としては本当に魅力的!

原則、副業が許されている

地域によっては、または任用形態によってはダメな場合もあるようですが、基本的に副業は可能であるとされています。

この表でいう「副業の可否」というあたりですね。

副業可否についてはコチラの記事も参考になりそうです!

雇用関係の有り無しって何?会計年度任用職員?地域おこし協力隊に応募する前に知っておきたい雇用関係について!

話を戻しますが、起業したい人からすればこれ以上ない環境です。

協力隊員として働きながら、人脈を広げ、地域の「困った」を自分の目で見てサービスにつなげることができるわけです。

月16.6万円という、生活するにはちょっと少ないお給料だとしても、他で自分で稼げるようになれば問題なく生活ができますね。

車や住居、パソコン等の端末が貸与される

これも地域によりますが、業務上必要と想定されるモノに関しては自治体から貸与されるのが原則です。

なので、手持ちの備品がなくてもなんとか起業にこぎつけられる可能性が上がります。

協力隊員としての仕事以外には使えないとされている場合もありますので確認が必要ですが、なんでもOKの場所もあるみたい。

契約解消後にその地域で起業する場合、給付金として100万円受給できる

申請書類等も煩雑になるようですが、協力隊員としての任期を終えた後に起業する場合、条件がそろえば自治体から給付金(返済不要)として100万円が支給されます。

これはかなりありがたい制度。

協力隊としての給与では起業資金を貯めることは100%できないと思うので、そうした部分も見越しての施策だとは思いますが…。

以上がメリットと言える点です。給与が低いことに目をつぶればずいぶん良い待遇のように思えます。

地域おこし協力隊に悪いところはないのか?ネットで見てみると悩む人も多いみたい

さっきまではいいことばかり書いてましたが、次は「ちょっとよくない点」をまとめます。

こっちは実際に活動していた方の声を参考にしているので、説得力がすごいです…

融通が利かないところは本当に利かない

こちらの方の悲痛な声が、実際に目に浮かぶようで読んでいて辛かったです…

【 熊野野菜さんの例 】

和歌山県のとある町で地域おこし協力隊員として活動を始めたらしい熊野野菜さん。

文面を読んでいるとわかる通り、積極性もありバイタリティにあふれた方です。

そんな方なので、協力隊員として与えられた仕事の中で手が空いた時間を活用し、地元の無駄になってしまっている食材を資源化し、販売する仕組みを作りました。

地元の生産者さんも売り上げが増えるし、購入した人も美味しい野菜が安く食べられて大助かり。

ところが、自治体はそれをやめさせます。

それは自治体としては介入するべきではない部分だから…という感じのニュアンスで文書を出してます。

「え?地域おこしってこういうもんじゃないの?」という率直な感想に、痛く共感しました。

税金から活動費を出してもらっているのだから、無駄な時間を作らないで地域のために尽力して何が悪いんだろうと思いますが、自治体はそれを拒否。

現場では生産者も隊員もやる気の出る行動だと思うんですけど。
うーむ…本当に地域を起こす気があるのかないのか…

自治体から「テキトーにやっといて」とあしらわれる

今度はコチラの方。
https://togetter.com/li/714626

長崎県池島という地区で活動していたらしいのですが、自治体の対応がテキトーすぎて気の毒ですね。

住むところもテキトーだし、そもそも地域を起こす気もないから何も対応してくれないし、協力隊としての扱いもテキトー。

かろうじてやらせてた地域資源の観光地化も「取り壊すかもしれないからあんまりやんなくていいよ」と言われる始末。
なんのために仕事してるんだろう…?

自治体が「とりあえず国から予算降りるから雇っとくか」くらいの思考で採用している場合はこれが多いみたい。
この制度が始まった頃は各自治体でこんなことばかりだったようです。

全部が全部じゃないだろうけど、実際にこんなことが起こる可能性もあるみたい。

なので、もしも応募するのであれば、採用前に確認できることは確認しておかなくてはなりません。

最長3年という期間は、ひと一人の人生の中では決して短い時間ではありません。
貴重な時間を棒に振ることが無いようにしっかりと情報収集したいものです。

ちょっと考えてみようかな?という場合はコチラ

実際に協力隊員として任期を全うされた方が、「ブラック自治体」を避けるための方法を記しています。
https://wakuwaku-keigo.com/chiikiokoshi-kyouryokutai-black/

やはり、聞けるときに全部聞いておくのが鉄則ですね。

「あんまり細かいところまで聞いちゃったら落ちるかもしれない」とか心配してる場合じゃありません。

自分の三年間を捧げられる自治体かどうかを図らねばならないのです。

私が自治体側でも「お、なんか本気っぽいな」と思うので、質問や確認が多いことは何もデメリットではないです。

それから、やはり今までの協力隊員がどんなことをしていたのか、どの程度定住しているのかを調べられるだけ調べた方がよさそうですね。

仕事内容がわかれば自分が与えられる仕事もなんとなく見えてきますし、定住率が異様に低ければ魅力を感じない対応だったのかもしれません。

何をするにもリサーチ第一です!

ということで、今回は「起業希望者に向けた、地域おこし協力隊のススメ」でした!

ひとつの選択肢として考えてみても面白いと思います!

「地域おこし協力隊」に関しての記事も他にたくさん書いているのでぜひ参考にしてください!

地域おこし協力隊についての記事一覧

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